2025年は、昭和元年から数えて100年という節目の年です。これを機に、昭和生まれのロングセラーや復刻商品に注目が集まるなか、若者を中心に“昭和レトロ”ブームも広がりを見せています。そんな中、時代を超えて多くの人々に親しまれてきた「カンロ飴」は、今年で発売70周年を迎えます。
誕生当時のエピソードや時代の変化に合わせたパッケージの変遷、そして昭和から令和にかけて多くの人々に愛される「カンロ飴」が、料理の“隠し味”として大活躍する飴に変化を遂げるまでを紹介します。
多くの人々に愛され続けて70年!料理に飴を使う意外性で再注目の「カンロ飴」

1955年発売の「カンロ飴」は、砂糖醤油のタレを絡めた“みたらし団子”を彷彿とさせる、甘じょっぱい味わいで、“まろやかな甘さとすっきりとした後味が特徴です。素材を生かしたものづくりを探究し、“砂糖・水飴・しょうゆ・食塩”だけのシンプルな原材料でやさしい美味しさを実現。日本人にとって”懐かしい味”の飴として親しまれてきました。

一方、近年はお菓子として食べるだけでなく、料理の調味料としてコクや照りを引き出す“隠し味”としても、SNSで注目を集める存在へ変化しています。
さっぱりとしたコクとほどよい塩味・旨味がマッチした味わい系塩飴「塩カンロ飴」夏の塩分補給にピッタリなシリーズ商品も人気!

「カンロ飴」シリーズの中でも、「塩カンロ飴」は素材の良さを活かすブランドの精神を引き継いだ、味わい深い塩飴です。高知県室戸沖の海洋深層水を100%使用したまろやかな味わいの塩と「カンロ飴」の特徴であるしょうゆがほどよく調和し、コクと旨味のある塩飴に仕上がっています。
当時は前例のない “しょうゆを使った飴”で起死回生!
1955年の発売から今年70周年を迎えたロングセラー商品「カンロ飴」。戦後の混沌とした社会状況の中、多くの方に支持される新たな飴を生み出すまでの開発秘話や紆余曲折など、昭和ならではの知られざるエピソードをご紹介します。
≪カンロ飴 誕生秘話①≫前例のない挑戦と苦労の末、日本人が好む味“しょうゆ”を使った飴を開発

戦後復興期の昭和20年代後半、果物風味やニッキ味の飴が市場を賑わせるなか、カンロは独自の挑戦に踏み出しました。背景には、砂糖価格をはじめ相次ぐ原材料費の高騰という逆風や、他社との過当競争による業績悪化がありました。そんな中、カンロが挑んだのは「しょうゆを使った飴」という、当時としては前例のない試みでした。創業者の宮本政一が残した言葉「日本には日本人だけが好む味のふるさとがある。日本人であれば誰でも飛びつくような風味を持った飴が出現すれば、たちまち他社製品を追い越して市場を独占する」
――その考えから、カンロはそれまで誰も実現しなかった冒険に着手しました。
水飴、砂糖、しょうゆの量と温度や加熱時間とのせめぎ合い。しょうゆ特有の旨味を活かしつつも、飴にしたときに焦げない絶妙な配合バランスを見つけ出すのは、まさに試行錯誤の連続でした。しょうゆ醸造会社との共同研究の末、ついにたどり着いた“焦げにくい特殊なしょうゆ”。それが今に続く「カンロ飴」の原点となりました。
≪カンロ飴 誕生秘話②≫当時の日本では珍しかったラッピングマシンを導入し、手作業の包装を効率化

カンロ飴が誕生した当初は、現在のような袋詰めではなく、無包装での量り売りが一般的でした。しかし市場の拡大とともに、他社商品との区別や模造品対策のため、商品そのものの“顔”となる個包装を実施。昭和30年、当時まだ国内では珍しかったラッピングマシンを導入したことで、それまで手作業で行っていた包み作業の大幅な効率化に成功しました。当時、熟練社員でも1日で包める数が約1万粒だったのに対し、ラッピングマシンは毎分140粒、つまり1時間で8,000粒以上を包装できる性能を持っていました。その後テスト機の導入を経て、狭い工場内は余地がないほど機械で埋まり、機械音が響き渡るように。それは、カンロが量産体制を確立した証でもありました。
≪カンロ飴 誕生秘話③≫
飴1個“2円”の強気な価格設定!開始3年弱で全国展開に成功

当時、飴の価格は「1個1円」が一般的でした。そんな中カンロは、業界の常識を覆す“1個2円”という強気価格で販売。山口県内から始め、四国・九州・阪神へと次第に市場を拡大させていきました。昭和32年、中京や首都圏の有力卸売店との取引が始まった頃、都内の一流問屋からは「1個2円の飴玉は高くて売れるわけがない」と冷遇されました。しかし、関西での爆発的な売れ行きに自信を持っていたことから強気で売り込みをかけ、テスト販売では予想を裏切る好評ぶり。発売からわずか3年足らずで全国展開に成功しました。
昭和~平成~令和にいたるまで70周年を迎える「カンロ飴」の歴代パッケージを公開!
発売から70周年に至るまでさまざまな形やデザインのパッケージを生み出してきたカンロ飴。
昭和から令和に至るまでの「カンロ飴」の歴代パッケージを一挙にご紹介します。
時代に合わせて変化してきたパッケージと、”素材の味”から成る変わらない美味しさ
戦後を経て、日本経済の高度経済成長とともに多くの方に親しまれてきたロングセラー商品「カンロ飴」。贈答用や防災備蓄として重宝される缶タイプ、持ち運びに便利なポケットサイズやスティックタイプなど、時代のニーズを捉えた多彩なパッケージ展開を続けてきました。パッケージは進化を遂げながらも、飴の原材料は発売当初からほとんど変えることなく、「砂糖・水飴・しょうゆ・食塩」というシンプルな素材から成る味わいを守り続けています。

時代を超えて愛されてきた飴が”料理の隠し味”にイメージチェンジ
飴の可能性を広げる「カンロ飴」の取り組み
戦後から時代を超えて愛されてきたロングセラー商品の「カンロ飴」ですが、令和のいま、“料理を美味しくする隠し味”として注目を集めています。レシピサイト「カンロ飴食堂」では、カンロ飴を使うことで簡単にプロの味が作れるさまざまなレシピを発信。飴を料理に使う意外性が、SNSを中心に大人気となっています。さらに、普段はなかなか見られない製造の裏側を体験できる工場見学の受け入れなど、カンロは「カンロ飴」の新たな魅力を発信するための取り組みを行っています。
飴が料理の隠し味に!?メディアやSNSで話題の「カンロ飴食堂」

カンロのロングセラー商品として長年愛されている「カンロ飴」。カンロ飴の原材料は「砂糖・水飴・しょうゆ・食塩」のみと台所にある素材ばかりですが、特別な条件で加熱しているため、ひと粒にコクと美味しさが凝縮しています。SNSでは「カンロ飴を調理の”隠し味”に使うことで、いつもの料理が一段と美味しくなる」と、カンロ飴の新たな魅力が話題に。料理が美味しくなる理由は、カンロ飴が味に深みとコクを出す調味料代わりとなるだけではなく、水飴の効果などで照りが出やすくなるといった特徴にあります。
カンロ飴食堂HP

公式Instagram
https://www.instagram.com/kanroameshokudo