100%北海道産のじゃがいもで作ったサクサク食感の「じゃがポックル」。
今では北海道のお土産スナックの定番として広く知られ、新千歳空港でも人気のある商品ですが、
実際にはアイデアが発案されてから販売されるまでには時間がかかったようです。
今回は誕生20周年を迎えた「じゃがポックル」の開発秘話をお伺いしました。
お話を伺ったのは「じゃがポックル」に携わった住谷さん・長濱さん
カルビー 株式会社
マーケティング本部 新規商品部 じゃがポックルチーム
住谷みどりさん
カルビー 株式会社
マーケティング本部 スナック3部 じゃがりこチーム
長濱 由尚さん
とことん素材にこだわった「じゃがポックル」の誕生秘話
今回は、「じゃがポックル」の商品担当をしている住谷さんと「じゃがポックル」発売時に商品担当だった長濱さんにお話をお伺いしました。
ーーまず、「じゃがポックル」はどのように生まれたのでしょうか。
「じゃがポックル」の開発は、カルビーの創業者であり、当時、名誉会長だった故松尾孝の発案から始まりました。
松尾氏は1995年に発売した「じゃがりこ」に対して、こんなに硬い食感のスナック菓子が売れるのだろうか、
という意見を持っていて、彼はスナック菓子はサクサク柔らかく口どけの良いものが好ましいと考えていました。
しかし、意外にも「じゃがりこ」が大ヒット商品となったのがきっかけで、
松尾氏はじゃがいも本来の味・食感を追求したフレンチフライをイメージした商品の開発をスタートさせました。
ーー今では北海道のお土産定番商品となりましたが、発売までどのような苦労がありましたか。
とにかく素材と製法にこだわり続けたので、商品企画から発売まで試行錯誤の連続でしたね。
開発当初は、製品の折れが多かったり、食感にばらつきが出たりと量産化まで苦労しました。
また、「じゃがりこ」など他のじゃがいも商品と差別化を図るため、
原料の選定に始まり製品の形状、食感など細かな検証を行いました。
千歳工場に勤務しながら、帯広工場や帯広周辺の産地に月1~2ペースで通ってました。
ーー農家さんを巻き込んでの開発だったんですね。
最初に発売された商品は、「じゃがポックル」ではなく「ピュアじゃが」だったとお伺いしましたが、
どんな商品だったんですか。
今では懐かしい商品ですが、
2002年に北海道土産市場に最初に投入した商品は「ピュアじゃが」という商品名で、
ランチボックス風の取っ手のついた外箱にプラスチックの芋型カップが4つ入ったパッケージでした。
携帯性にこだわったつもりが、かばんに入らない、4つでは配るのに不便、店頭で陳列しにくいといった声が上がり、全く売れなかったんです。
味に関しては、ポテトチップスと同じ塩分を基準にしていましたが、
お客様からの意見でより薄い味が好まれるということがわかり、塩分を下げる方向に改良しました。
ーーそうだったんですね。お客様から頂いた声からも味の改良を重ねていたんですね。
そうですね。
今では、SNSがあるのでお客様のご意見がリアルタイムで届きますが、
当時はSNSがなかったので、店頭のアンケートやお葉書でお客様の声を集めていました。
その中で「塩辛い」という意見が多かったため、最終的には塩分を控えめにすることにし、
現在の「じゃがポックル」が誕生しました。
ーーお客様と一緒につくりあげてきた「じゃがポックル」だったんですね。
改めて、じゃがポックルの特徴はなんでしょうか?
「じゃがポックル」の最大の特徴は、
厳選された北海道産のじゃがいもを使用し、旨み成分を残すために皮つきのままカットしていることです。
農家が大切に育てたじゃがいもを大事に使いたいという想いから、
独自の製法によってサクホクっとくる食感と北海道じゃがいも本来の味わいを生み出しています。
ーーじゃがいもの甘みを感じられる理由は皮ごとカットしているからなんですね。
そうですね。じゃがいもの持つ自然な甘み、程良い塩気、そして油のコクがじゃがポックルの味わいを形作っています。シンプルだからこそクセになる味わいを追求しています。
ーーこんなに美味しいので北海道に行かなくても買いたいのですが…
基本的には北海道限定で販売していますが、
カルビー公式オンラインショップやアンテナショップの一部店舗でもご購入いただけます。
有難いことに、全国で販売して欲しいとお声も頂くのですが、
「じゃがポックル」は厳選されたじゃがいもを使用しており、大量生産が難しいため、
北海道に訪れた際にぜひお買い求めいただければと思います。
ーー北海道土産でいまは定番商品になりつつある「じゃがポックル」ですが、
次なる50周年に向けた計画や目標を教えてください。
まずは北海道土産の人気商品としてさらに広まっていくことを目指しています。
観光客の復活とともに需要も増えてきているので、さらなる成長を目指します。
まずは国内市場からスタートし、いずれ海外展開できるといいなと考えています。
いま台湾で公式キャラクターが「ポテト三兄弟」と言われるほど人気を集めているので、
まずは、親しみやすい公式キャラクターから認知していただき、
北海道の魅力とあわせて、「日本の美味しいお土産といえば、これ!」とお買い求めいただけると嬉しいです。
そのまま食べるだけでなく、多様なアレンジが楽しめる「じゃがポックル」
最後に、「じゃがポックル」のおすすめのアレンジレシピがあればぜひ教えてください。
チーズと「じゃがポックル」をそれぞれ温めて
あわせて食べるのがおすすめです。
とろ〜っと溶けたチーズに「じゃがポックル」を絡めて食べれば、
お酒ののおつまみになります(笑)これ本当に美味しいです。
ーーーチーズとじゃがいもの最強コンビ!北海道チーズと合わせたらさらに美味しそうですね。
他だと、カップラーメンとも相性抜群なんです。
粗く砕いたじゃがポックルをカップラーメン(特にカレー味がおすすめ)に入れると具沢山になり、満足感がアップしますよ。
そのまま食べてももちろん美味しい「じゃがポックル」ですが、
チーズをかけたり、 カップラーメンに入れたりなどなど背徳感を究極に高めた組み合わせも気になりますね。
<取材を終えて>
「じゃがポックル」のブランドチームは、「品質にこだわる」という想いが第一にあり、じゃがいもの選定から製造工程まで、細部にわたり確かな品質を守るために努力されたとのこと。このお話はとても印象的でした。
その情熱は長濱様を始めとする原料から店頭まで各プロセスの改善活動に関わった、
新規商品チームのものであり、この情熱が「じゃがポックル」20年間もロングセラーであり続ける理由だと改めて深く感じました。
今後も「じゃがポックル」の挑戦と創造に期待し、
新たな美味しさを提供し続けることを期待しています。
本日は、貴重なお話をいただき、本当にありがとうございました!
開発秘話を知るとより美味しく感じられる「じゃがポックル」
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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